
居間、英語でいうとリビングルーム。
現在では、リビングルームは家の間取りを考えるときに、家族空間として、真っ先に優先つけられます。
リビングルームが誕生したのは開拓時代のアメリカ。家族もお客さんも分け隔てなく、付き合えるように、家族団欒のための部屋と接客のための応接室などの部屋をひとつにしてしまったのが、はじまりだそうです。日本にもヨーロッパにもそのような部屋はありませんでした。
戦前の日本の住まいは、家族の日常生活よりも、来客のための、座敷や応接室や玄関を必要以上に立派にしたり、日当たりのいいところに設けたりして、家族の空間である茶の間や台所は日当たりの悪い場所に追いやられていました。
戦後、アメリカからの影響で、来客主義から家族主義に。来客中心の間取りから、家族中心の間取りへと変わっていきます。そこに、もちこまれたのがリビングルーム。住まいの中心として、その役割の大きさに目を向けはじめられました。
個人のプライバシーを重んじ、家族を各個室に分散させる間取りが当たり前になった昨今、より、家族空間としてのリビングルーム、茶の間の役割が重要とされています。